子ども達を守る

奈良市・富雄北小学校の女児誘拐・殺人事件から早くも1年7ヵ月が経過しました。

小林薫被告に対する刑事裁判も、先月25日に両親の意見陳述を終えました。

私は、この事件が発生した日の翌日は法務委員会で、また昨年3月17日には予算委員会で再犯防止の取り組みを追及しておりますが、昨年1027日の法務委員会でも、その後の進捗状況を南野法務大臣と議論しました。

とりわけ、刑務所内での更生プログラムの研究と実施時期について問い質しました。といいますのも、事件直後、民主党の法務部門では手分けをして、国会議員自らが刑務所に足を運んで、刑務所内での性犯罪の更生プログラムを視察しました。私も奈良少年刑務所を訪れました。この作業によって全国に74ある刑務所や少年刑務所のうち、13の施設でのみ性犯罪者に対して、更生教育が実施されているものの、残り61の施設では何ら再犯防止に向けた取り組みが実施されていなかったことが判明したからです。

性犯罪、とりわけ年少者に対する性犯罪は、繰り返すことが多いと指摘されています。それにもかかわらず、大半の施設では、刑期の間、受刑者を刑務所に閉じこめ、工場で労務に服させているだけで、再び犯罪を犯さないための、すなわち私たちの安全を脅かさないための教育

や指導が行われていないのです。

13の施設でも、ビデオを観せるとか、反省文を書かせる程度の教育が行われているに過ぎません。こんなことでは、私たちの安全は守られません。確かに刑罰は犯罪を犯したことに対する制裁です。しかし、同時に犯罪者に対する教育を兼ねていなければ受刑者が刑期を終えて、社会に復帰した後、私たちの生活を脅かすことになりかねません。

法務省の研究会(性犯罪者処遇プログラム研究会)でも、専門家が「性的問題行動には、犯罪の側面と病気の側面がある」と述べています。それ故に、私は、受刑者の人権や立ち直りに十分配慮しながら、医師や学者、教育者らの専門的な知見を活用し、科学的な更生プログラムを確立し、速やかに実施すべきだと考えています。

予算がないとか、人手がないとか、やる気がないとか、役人の、いつもの内向きの理屈で、私たちの安全を犠牲にしてはなりません。

そして、富雄北小事件以降も昨年11月には広島、昨年12月には栃木、今年5月には秋田と、次々に子ども達が被害者になる事件が相次いでいます。

朝、元気に出かけて行った子ども達が、夕方、お腹をすかせて、時にはどろんこになって、また元気に帰って来る。この親としての当たり前の幸せを守ることこそ、今政治に課せられた最も大きな責任のひとつです。

【前川きよしげ本人が書いています】