安心して暮らせる、安全な社会

 11月7日で、奈良市・富雄北小学校の女児誘拐・殺人事件から1年になります。

 私は、この事件が発生した日の翌日は法務委員会で、また317日には予算委員会で再犯防止の取り組みを追及しておりますが、1027日の法務委員会でも、その後の進捗状況を南野法務大臣と議論しました。

 とりわけ、刑務所内での更生プログラムの研究と実施時期について問い質しました。といいますのも、事件直後、民主党の法務部門では手分けをして、国会議員自らが刑務所に足を運んで、刑務所内での性犯罪の更生プログラムを視察しました。私も奈良少年刑務所を訪れました。この作業によって全国に74ある刑務所や少年刑務所のうち、13の施設でのみ性犯罪者に対して、更生教育が実施されているものの、残り61の施設では何ら再犯防止に向けた取り組みが実施されていなかったことが判明したからです。

 性犯罪、とりわけ年少者に対する性犯罪は、繰り返すことが多いと指摘されています。それにもかかわらず、大半の施設では、刑期の間、受刑者を刑務所に閉じこめ、工場で労務に服させているだけで、再び犯罪を犯さないための、すなわち私たちの安全を脅かさないための教育や指導が行われていないのです。  13の施設でも、ビデオを観せるとか、反省文を書かせる程度の教育が行われているに過ぎません。こんなことでは、私たちの安全は守られません。

 確かに刑罰は犯罪を犯したことに対する制裁です。しかし、同時に犯罪者に対する教育を兼ねていなければ受刑者が刑期を終えて、社会に復帰した後、私たちの生活を脅かすことになりかねません。法務省の研究会(性犯罪者処遇プログラム研究会)でも、専門家が「性的問題行動には、犯罪の側面と病気の側面がある」と述べています。

 それ故に、 私は、医師や学者、教育者らの専門的な知見を活用し、科学的な更生プログラムを確立し、速やかに実施すべきだと考えています。予算がないとか、人手がないとか、やる気がないとか、役人の、いつもの内向きの理屈で、私たちの安全を犠牲にしてはなりません。

 

 

議 員 年 金 廃 止

 私は、平成16年7月の参議院選挙、すなわち年金制度の抜本改革が争点となった選挙で国会に送って頂きました。ですから、誰もが安心して暮らすことができる、安定した年金制度の確立は、私たちに課せられた大きな使命のひとつです。

  私と同様に、平成16年7月の参議院選挙において、民主党では27名の新人議員が当選しました。この27名に無所属新人議員4名を加えて、私たちは「改革推進新人議員懇談会」を立ち上げ、私がその会長に就任しました。

 そして、民主党内において、まず改革の第一歩として、平成 16年7月の参議院選挙・マニフェストにも明記した「議員年金の廃止」を実行するよう訴え続けました。この結果、平成171020日、民主党は議員年金廃止法案を国会に提出し、これを受け、同月26日、平成18年4月からの議員年金廃止が与野党間で合意されました。小さな一歩かも知れませんが、まさに政治が動いた瞬間でした。

 私が「議員年金」の廃止にこだわり続けてきたのは、小泉チルドレンが言うように国会議員が使い切れないほどの給料をもらっていて、老後もお金に困ることがないからでは決してありません。国会議員に支給される文書交通費は人件費や事務所経費、ビラの印刷費などに消えてしまいます。殆どの国会議員が(もちろん、私も含めて)給料や蓄えも政治活動費につぎ込んでいます。ですから、私たち国会議員も老後の生活は、年金を頼りにしています。

 しかし、私が、それでも「議員年金」の廃止にこだわるのは、国会議員だけの優遇された、「議員年金」の上にあぐらをかいていたならば、年金制度の危機的状況を実感として理解できないと確信するからです。現に自民党の長老議員(元厚生労働大臣と元法務大臣)らが「議員年金が無くなったら、引退後クビをくくることになる。民主党はバカだ」と雑談しているところに、偶然居合わせたことがあります。元厚生労働大臣でさえ、かくも無責任な発言です。私は、その長老議員に尋ねてみたいと思いました。「議員年金がない、国民の皆さんは、クビをくくるしかないのですか?」と。

 出生率が1.29という、このままのペースなら2035年には日本人の3人に1人が65歳以上の高齢者になると予想されています。2人の65歳未満の人々が負担する保険料で、1人のお年寄りに年金を支払うことは、物理的に不可能です。しかも、およそ1045万人、総人口の8.3パーセントに相当する団塊の世代の皆さん方は、今は保険料を支払い、年金制度を支えて頂いておりますが、平成  19年には定年退職を迎え、年金を受け取る年齢に達します。改革に時間的な余裕はありません。

 だからこそ、私は年金の議論を止めません。年金の議論を終わらせることは、絶対にできません。

【前川きよしげ本人が書いています】