昨年7月初当選の与野党新人議員62名のトップを切って、

参議院本会議で代表質問を行いました

 

 七月の選挙で、奈良県選挙区から当選いたしました前川清成です。

 私は、民主党・新緑風会を代表し、いわゆるADR法案について質問いたします。

 まず冒頭に、高金利の見直しについて法務大臣にお尋ねいたします。

 サラ金やカード会社は、百万円未満の貸金については年利一八%、百万円以上については年利一五%と規定した利息制限法の制限金利を超えて、出資法の制限金利である二九・二%に近い金利で営業を続けています。

 私たちがとらの子の預金を銀行に預けても、普通預金であれば〇・〇〇一%、定期預金でも〇・〇二%程度しか金利が付きません。出資法の制限金利は、普通預金金利の二万九千二百倍、定期預金金利の一千四百六十倍です。

 その結果、一方では、例えば武富士の申告所得は二千億円、アコムの申告所得は一千五百億円といった具合に、サラ金やカード会社は正にぼろもうけをしています。

 その陰で、警察庁の調査でも、平成十五年は八千八百九十七名もの方が経済苦を理由に自らの命を絶っておられます。また、平成十五年度、二十四万二千三百六十七名もの方が自己破産を余儀なくされました。

 全国津々浦々の簡易裁判所においては、平成十五年度の民事新受件数三十三万七千二百三十一件のうち、三十二万九千六百二十一件、割合にして九七・七%がサラ金、カード会社等を原告とする貸金訴訟、求償訴訟で占められており、簡易裁判所は正にサラ金の取立て機関となってしまいました。

 利息制限法が制定された昭和二十九年十二月末日時点での公定歩合は五・八四%、翌三十年末時点では七・三%でした。したがって、当時にあっては、利息制限法の定める一八ないし一五%という制限金利は公定歩合のおよそ三倍でした。しかし、現在の公定歩合は〇・一%です。一八%の制限金利は公定歩合の百八十倍に当たります。もはや利息制限法や出資法の制限金利が現在の経済状況を正確に反映していないことは明らかであります。

 それゆえに、私は、十月二十六日の法務委員会において、利息制限法及び出資法の制限金利引下げを求めましたところ、法務大臣から引下げを検討するとお約束をいただきました。

 つきましては、法務大臣にその後の検討状況をお尋ねいたします。

 今、どの部署で、だれをメンバーにして、どのような事項について御検討いただいており、いつごろ結論をお示しいただくのか、具体的にお答えください。

 年間八千八百九十七名にも達する経済苦による自殺者数は、一日当たりに引き直せば二十四名に、二週間では三百四十一名になります。十月二十六日から今日までの二週間で三百四十一名もの尊い命が奪われてしまいました。だからこそ、一日も早く利息制限法と出資法の制限金利を引き下げて高利貸し優先の社会を改めなければなりません。消費者保護基本法も消費者の利益の擁護と増進を国の責務と定めています。法務大臣の御決意はいかがでしょうか。(続く)

 

 

 

 

 

一年間の活動報告

 

第1 第160回臨時国会

     (平成16年7月30日から同年8月6日まで)

 

●初登院

 当選後初の国会でした。

 議席の指定、所属委員会の決定などで終了しました。

 

●モンゴル公式招待

 モンゴル国国家大会議(国会)からの招待で、9月1日から9月6日までの6日間、公式訪問し、バガバンディ大統領(当時)、エルベグドルジ首相(現職)、エンフバヤル国家大会議議長(当時)らと会談するとともに、日本人抑留死亡者慰霊施設において献花を行い、幼稚園や企業などを視察しました。

 なお、エンフバヤル国家大会議議長は、本年6月、大統領に就任されました。

 この公式訪問で同行させて頂いた尾辻秀久厚生労働大臣、谷川秀善外務副大臣らとは党派の違いを超えて、その後も懇意にさせて頂いています。

 第2 第161回臨時国会

    (平成161012日から同年12月3日まで)

 

●本会議代表質問

 平成161110日、与野党62名の新人議員のトップを切って、本会議場で代表質問を行いました。司法改革、ADR法に関連して、サラ金やカード会社がボロ儲けしている一方で、毎年9000名が経済苦を理由に自殺し、毎年25万人が自己破産に追いやられているという現状、今私達が虎の子の預金を銀行に預けても、普通預金であれば0・001パーセント、定期預金であれば0・02パーセントしか金利がつかないという経済情勢を前提としたならば、サラ金やカード会社などの高利貸しが29・2パーセントもの金利を得ることができる、現行出資法、利息制限法の制限金利を引き下げなければならないと訴えました。これに対して、南野法務大臣も「平成19年1月を目途にして引き下げを検討する」と明言しました。

 生活者、消費者を守ることこそ国の役割であり、高利貸しという業界団体の保護、育成が国の責務ではありません。引き続き、出資法、そして利息制限法の改正に全力を傾注して参りたいと存じております。 

 

●法務委員会

 法務委員会では、1026日、11月4日、同月16日、同月18日と53日間の会期の中で、4回、質疑の機会を得ました。

① 1026日、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部改 正法案について、国会議員として初質問を行いました。簡易裁判所 がサラ金の取立機関として利用されている現状と、その背景にある利息制限法と出資法の2つの制限 金利の矛盾について、南野法務大 臣に現状を踏まえて質問致しました。 南野法務大臣からは、利息制限法の見直しを検討するとの答弁を引き出しました。

② 11月4日、民法の一部改正法案について質問しました。今回の改 正において、民法がひらがなで記 述されるようになり、改正法施行以降の保証契約の要書面化、極度額の定めのない根保証契約の無効 等改正されました。国民にとって 分かりやすい、生活者のための改 正であるのか、政府に対し厳しく 追及致しました。また、違法年金 担保の実情と政府の監督義務について質問しました。

③ 1116日、18日と続けて、裁判 外紛争解決手続の利用の促進に関 する法律案(いわゆるADR法案) について質問しました。裁判外で も紛争解決できるための機関の認 証や手続きについて、その機関の 公平性確保や国民の権利を十分守ることができるのか等、政府に質問しました。

 

●憲法調査会

 1027日、憲法と財政について、1124日、憲法裁判所と法曹一元について意見を述べました。国民の税金の使い方について、国民の代表が予算、決算を通じて、しっかりと監視すること、また地方の必要性に応えるよう、地方に任せるものは地方へ分権すべきこと、今の官僚的な職業裁判官ではなく、法曹一元を積極的に導入すべき事などを述べました。

 

 第3 第162回通常国会

     (平成17年1月21日から同年8月8日まで)

 

●予算委員会視察

 平成17年2月16日から18日まで、予算委員会からの派遣で、中曽根弘文委員長(中曽根康弘元首相の長男)らとともに、中部国際空港、愛知万博(開会前の工事現場)、ヤマハ、トヨタ自動車、浜松ホトニクス、藤前干潟などを視察して参りました。

 

●予算委員会

 私は、国会議員1年生ながら、先輩方のご配慮により予算委員会に所属させて頂いており、3月8日、同月17日の2回に亘って、予算委員会一般質疑を担当させて頂きましたので、

       奈良市の富雄北小学校の事件や安城市のスーパーにおける幼児殺害事件を受けて、「安心して暮らすことができる、安全な社会」を回復するために、治安の問題、 

       1000人もの健康な女性の子宮等を、金儲けのために摘出しておりながら、その後25年間医師資格が取り消されず、現在に至るまで治療を継続していた「富士見産 婦人科病院」事件受けて、医師資 格の問題、

       検証会議の最終報告書によって、ハンセン病患者の母親が出産した、少なくとも29人の赤ちゃんが、ハンセン病患者を隔離する国の施設で殺されていた事実が明らかになりましたので、国民を守るべき国が、 偏見に基づいて、何ら抗弁すること ができない赤ちゃんの命を奪ったこと、

       渋滞が常態化している、奈良県 内の国道24号線と、その解消策としての京奈和自動車道の早期開通、

       昨年の臨時国会に続いて、利息制限法、出資法の早期改正、制限金利引き下げの必要性、とりわけ韓国、アメリカ等規制緩和が進んだ(金利規制が緩やかな)国ほどヤミ金被害が蔓延し、フランス、ドイツ等金利規制が厳格な国(高利貸しに厳しい国)ほどヤミ金被 害が発生していない事実等を取り上げさせて頂きました。

 これに対して、

       治安の回復に関しては、村田国 家公安委員長から性犯罪者の前科 情報を官庁間で相互交流させ、警察実務に活用していくこと、南野法務大臣からは、刑務所内の更生 プログラムを充実するとともに、仮出獄制度、保護観察制度を見直 すこと、

       医師資格の問題に関しては、尾 辻厚生労働大臣から、平成18年度 には、医師資格も含めて、医療提供体制全般を見直した改革案を提示すること、

       ハンセン病に関しては、尾辻厚 生労働大臣から、提言、意見を踏 まえ、二度と繰り返さないよう努力すること、

       国道24号線の渋滞問題に関しては、 北側国土交通大臣から、特に奈良 県下の国道24号線の渋滞が酷いとの認識が示された上で、京奈和自 動車道の重要性の確認と、早期開 通に尽力すること、

       利息制限法、出資法の見直しに関しては、南野大臣から、法務省が責任をもって2007年1月を 目途に見直しを進め、必要な調査も行うこと、伊藤金融担当大臣か らは、貸金業者の業界利益だけに 拘泥せず、生活者、消費者の立場も斟酌しつつ、実態の把握に努めること等が答弁されました。

 私たち民主党は、今は野党ですが、私は「反対のための反対」に終始するのではなく、建設的で、説得的な議論を展開し、少しずつでも公正な社会を築いて参りたいと存じております。

 

●法務委員会

  私は法務委員会において、

       ① 3月29日には裁判官の定数増員に関する質疑を担当し、裁判の迅速化は極めて重要であるが、「早かろう。悪かろう」では困る、充実した審理を行うために裁判官の大幅な増員が不可欠であることを訴え、

       ② 4月5日には不動産登記法の改正に関して質疑を担当致しました ので、境界紛争解決のための新制 度を立ち上げるに当たっては、何 よりも国民に信頼され、利用しやすいものとすること、そのために は登記官の任用を国民に対してオープンにすることが必要であると 指摘し、関連して、司法が社会の片隅で小さな役割しか果たしてこ なかった現状を改革し、透明で、公正なルールに支配された社会を 実現するために、財務省に対して 司法関連予算の飛躍的な増加を求 めました。

       7月21日には一般質疑を担当し、選択的夫婦別姓の早期導入を訴えるとともに、同月19日の最高裁判決を受けて、サラ金業者の取引履歴開示義務について法務省、金融庁の監督体制を追及しました。

なお、この質問を受けて、8月12日、金融庁は事務ガイドラインを改正し、サラ金等金融業者らの取引履歴開示義務を明記しました。

 

●会社法

 会社法案も法務委員会で審議されましたが、私は参考人質疑も含めて6月7日、9日、14日、16日と連続して4回、質問に立ちました。

 この改正で、聞き慣れた「有限会社」が「株式会社」に統合されてしまう一方で、「合同会社」という、新しい会社類型が創設されます。また平成2年に1000万円に引き上げられた、株式会社の最低資本金が、まさに朝令暮改、1円になります。その他株主代表訴訟や、税理士などが「会計参与」に就任するなど、骨格に関する大改正が行われました。ところが、新法の条文数は979であるにもかかわらず、319ヶ所も、内容が政令や法務省令に委任されています。そこで、「役人に丸投げ」だと法務大臣や法務省民事局長を追及しましたが、法務大臣には、この深刻な問題点さえ理解できないようです。

 

●憲法調査会

 憲法調査会でも積極的に討論に参加しております。

 自民党の国家主義的な改正案は「憲法」という法の存在理由について無知なのか、敢えて無視していると言わざるを得ません。今国会におきましても4回、発言や意見発表の機会を得ました。調査会の議論の中で、自民党議員からは、基本的人権の限界を画する「公共の福祉」という概念を、「公益」に書き換えるべきだという発言さえありました。これに対しては、私は「公益を基本的人権制約の根拠とするならば、多数決で少数者の基本的人権を制約してもよいということになりかねず、極めて自民党的憲法改正論である」と反論しました。

 

●質問主意書

 国会議員は、内閣に対して、国政一般について「質問主意書」という文書形式で政府の施策を問い質すことができますが、私は、7月27日、高齢者の年金を担保とする融資、いわゆる年金担保に刑罰を課すべく改正された、貸金業規正法に関して「違法年金担保に関する質問主意書」を提出しました。

 

●党務

 私は民主党の法務部門役員、貸金業に関するプロジェクトチーム事務局長、公証人制度改革ワーキングチーム事務局長、経済団体局次長、奈良県連副会長などとしても働かせて頂いておりますほか、昨年7月当選の民主党新人参議院議員27名及び無所属参議院議員4名からなる「改革推進新人議員懇談会」を結成し、その会長に就任しました。同会においては、選挙を通じて訴えました、年金制度の抜本改革と議員年金の廃止に向けて、地に足の着いた勉強を重ねて参ります。

 

 

 

 

年金の議論を終わらせない

 

 昨年7月の参議院選挙、私たち民主党は年金制度の抜本改革を訴え、有権者の皆様方からご支持を頂きました。野党でありながら、消費税増税を含め、正面から議論する真摯な姿勢が、国民の皆様方に評価して頂けたと、私は考えています。

 

 選挙が終わって、私たちは代表質問、党首討論、予算委員会、厚生労働委員会と機会ある毎に年金制度の抜本改革を政府・自民党に要求し続けました。その結果、ようやく今年4月に衆参両院で構成する「社会保障両院合同会議」が立ち上がりました。

 ところが、抜本改革を協議すべき、この社会保障合同会議においても、自民党、公明党は「年金改革は終わった」と繰り返しています。

 とんでもありません。今のままでは必ず年金制度は崩壊してしまいます。

 国民皆年金制度が立ち上がった昭和36年当時、65歳以上の高齢者は日本人20人に1人の割合でした。ですから、年金制度は、その時働いている現役世代が支払う保険料を、世代間の仕送りとして、高齢者に年金として支払う方式(賦課方式)で設計されています。

 しかし、その後高齢化が進行し、今65歳以上の高齢者は、日本人5人に1人の割合です。出生率が1・29まで低下していますが、このままのペースなら2035年には日本人の3人に1人が65歳以上の高齢者になると予想されています。2人の65歳未満の人々が負担する保険料で、1人のお年寄りに年金を支払うことは、物理的に不可能です。だからこそ、抜本改革を断行し、安心して暮らすことができる、安定した年金制度を確立しなければなりません。

 加えて、およそ1086万人、総人口の8・5パーセント相当する団塊の世代の皆さん方は、今は保険料を支払い、年金制度を支えて頂いておりますが、まもなく定年退職を迎え、年金を受け取る年齢に達します。したがって、改革に時間的な余裕はありません。

 昨年7月の参議院選挙で、私たち民主党は、私も含めて27名の新人議員が当選しました。この27名に無所属新人議員4名を加えて、私たちは「改革推進新人議員懇談会」を立ち上げ、私がその会長に就任しました。年金、さらに医療、介護も含めて、持続可能な社会保障制度を確立すること、私たち民主党に課せられた使命です。そのために地道な勉強を続けて参ります。